チベット辺境
〜塩井の町〜


塔のすぐ後ろは、背筋がぞくりとするほど急な渓谷になっていて、赤いメコン河が禿げ山の間を蛇行しながら流れてゆく。
穏やかな気温と、暖かな太陽、真っ青な空、遠くに川の音、どこからか低い鳥の声。
あまりの心地よさに崖っぷちに座りこみ、我知らず中学生時代の話なんかで盛り上がりながら、メコンへと石を投げて遊びはじめる。気付けば一時間ほどそこに座っていた。

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