チベット辺境
〜塩井の町〜


やがて道は、白塔とただの瓦礫と化した寺院らしき場所にたどり着く。
中に入ってみたが、廃墟となったそこには何も残されていなかった。
けれど心地の良い廃墟に魅入られて、私たちはさっき貰った、まさに新鮮そのものな林檎にかじりついた。
本気で、今まで生きてきた中で一番美味しい林檎だと思った。

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