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いよいよ石頭城を出発する時が来た。 家のご主人が、納西族が客をもてなす時に出す「バター茶」を出してくれる。蔵族(チベット族)と同じ風習である。 ちなみにこのバター茶………………いまだに、私にとっては恐怖のブツである。 この後の留学中、私はこのバター茶に何度も苦しめられることになるが、これが最初のバター茶であった。 溶かしたバターをがぶ呑みしていると言えば、通じるだろうか。 ともかく……ともかく……頑張らなければ呑めない代物である。 もちろんもてなしのお茶なので、必死に飲んだ。必死に飲むと、ご主人は嬉しそうにもう一杯注ぐ。笑顔の拷問茶なのである。 この後、斜面の村を三十分かけて登山したのだが、後一歩で吐くところだった。 |