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タクシーを強制下車させられた辺りから、一時間半ほど。 周囲には険しい山々が聳え立ち、いつ石頭城が現れてもおかしくない雰囲気が漂い始める。 険しい山峰は、ちぎれ雲を引っかけて、奇観を作り出している。 間もなくという予感がしはじめるが、実際は、ここからさらに数時間がかかった。 しかしこの周辺の山々は、運転手にとっては近所のようなものらしい。 時折、乗せてくれ!と色々な人が、空いている席に乗っては途中で降りてゆく。 ピンク色の服を着たおじちゃんが乗りこんできた時には、「ピンク…!?」と度肝を抜かされた。 ピンクは中国でも都会的な色。日に焼け、不精髭のおじちゃんにはいかにも似合っていなかったが、それを普通の顔で着ているのだから、どうにも可笑しい。 といっても、実際のところ、中国の奥地では「着れるものは何でも着る」ので、本当に何でもないことなのだが。 |