麗江片区
〜宝山石頭城〜


暗くなってきたので、その日の散策はこれにて終了。
私たちはここまで乗せてきてくれたトラックの運転手の家にお邪魔することになった。
ちょうど季節なのか、村のあちこちで黄金色のとうもろこしが干されている。

その日の夜は、家の方が美味しい手料理と、ご主人が自ら作ったという白酒(パイチウ)を振舞ってくれた。
白酒はなかなかキツく、ご主人に度数を訊ねると、「40度ぐらい?」と曖昧に答えてくる。
その後、息子さんが部屋に入ってきて、「50度ぐらいだろ」と突っ込みを入れていたが、私たちは「こりゃ60度はあるだろ」とグラグラする頭を抱えた。

星が見えるかと思って、私たちはその後、ふたたびあの広場を訪ねた。
すると真っ暗にも関わらず、広場には大人たちが集まっていた。
何か祭でもあるのかと思ったが、ただ普通にお喋りを楽しんでいるだけらしい。
昼間と違って、子供たちはもういない。一人の女性を囲って、男たちが賑やかに話をしていたりするところを見ると、大人たちの、ちょっとした恋の駆け引きの場でもあるようだ。

残念ながら星は見えず、私たちもそれぞれに広場で休んでいると、村の人たちが話しかけてきた。
彼は普通語が喋れるらしく、私たちとの会話を、ほかの村人たちに翻訳してくれる。
これはいい!と思い、私たちは先ほどおばあちゃんに聞いた言葉の意味を尋ねてみることにした。

「うにゃららって何ですか?ニーハオの意味?」
「いや、「分からない」って意味だよ」

途端、私たちも大爆笑してしまった。
おばあちゃんは必死に、「分からないよ」と訴えていたのだ。
しかも私たちは子供に、満面の笑顔で「分からないよー!!」と挨拶をしていたのだ。
子供が大爆笑した意味が、ようやく分かった。恥ずかしい!と、一同赤面する。

その後、まだ少しおしゃべりした後、私たちは家に戻った。
戻る途中、裸電球の小さな明かりの下、娯楽場のようなところで傾いた台でビリヤードをする人びとを見かける。
村には珍しく、石頭城の人びとは夜も遅くまで遊ぶ習慣があるようだ。
長旅に疲れた私たちは、一足早く、鼠の糞だらけのベッドで眠りについた。

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