元陽バダ村の祭
〜バダ村〜
神木の側で、親子の黒豚が生贄としてささげられた。
急所を刀で一突きされ、生命を絶たれた二頭の豚。
その側では、うずららしき小さな鳥もまた生贄とされてた。
最初の鶏は、神木につながれたままで無事。生贄ではなく、縁起を招く鳥なのかもしれない。あるいは翌日にも行われる祭で生贄にされるのか…。
生贄の儀というものをはじめて見た私だったが、ショックを受けるよりも、妙な実感を受けた。
ああ、これが人の営みなのだ、と。
私が日々口にしている肉は、こうやってくるのだ、と。
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