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前日には見つけられなかった路地を上っていったところに、その見張り台らしきものはあった。 面積はかなり広く、岩の一番頂上にあるため、周囲の山々や金沙江を一望できる。 ご主人に由来を聞くと、「昔、この石頭城が周辺の地域を治めていた頃、王が作った見張り台だよ」と教えてくれる。 ご主人の話はともかく驚くような内容で、私たちは真剣に聞き入ってしまった。 「昔はこの銃窓(写真の壁に穿たれた三角形の穴)から、石頭城にやってきた敵をバン…ッと撃ったものさ!四人ぐらいやってきてね、何人かは逃げたが、二人は撃ち殺してやったよ」 ………え、え、え、え、え、ご主人、昔っていつの話ですか!?(汗) 話は流れに流れ、真相を聞く機会は永遠に失われた。残念。 だが話を聞いて、なるほど、石頭城の堅固な印象は間違っていなかったようだと分かる。 昔、ここは周囲一帯の地域を治める、支配者のいる町だったのだ。 頑丈な岩の上に村が建っているのは、外敵から身を守るため。 この岩の村は、難攻不落の天然要塞だったのである。 後々自分で調べた結果、それは間違いではなく、確かにこの村はかつて「防衛の要」として栄えていたようである。 岩の一つ一つには、歴史と悠久の時が刻まれていたのだ。 |